大学生の頃、作曲仲間の間でもだんだんMacを買う人が出て、「打ち込み」する人たちが輝いてた。私は全く出来ず、作曲といえば五線紙オンリーだった。さらに自然志向も高い時期で群馬の自然を愛し上野の芸大まで2年生まで新幹線で通ってた。一軒家を借りて庭には畑なぞ作り雉子の鳴き声を聞き庭にはチャボが徘徊する生活だった。が、しかし忘れ物を新幹線で取りに帰ったり連日の高速移動で頭が痛くなったりしてきてついに東京暮らしをはじめた。そしてついにMacをローンで買ったのである。MacとAKAIのS1000だ。どっちもフロッピーでカタカタ音を聞きながら悶々と格闘した。わからないのである。当時シーケンサーといえばPerformerかVisionかだったのでPerformerにしてみたがわからない。ありとあらゆる友達に教えてもらった。なんせ超絶自然志向からのMacへの転向は精神的にもキツかった。チャボが懐かしかった。が、しかし、うっかりバンドを結成してしまってライブをすることになっていたのでなんとか形にしようと必死だった。最初のメンバーはWさん、私、ナミさん、ミノル君だった。私にとってはWさんが師匠で、シンセも高級なの揃ってたし憧れだった。 さて、そんなある日、やっとMacがいじれるようになりMIDIの録音をやってみようという段階になった。今と変わらずシーケンサーの録音ボタンを押して録音するわけだが、録音というものはそもそもカセットしかない時代にとってかなりの気合のいる一瞬だった。 よし、押すぞ!とシーケンサーの録音ボタンを押して録音開始しようとすると、脇においてあるステレオのカセットデッキの録音ボタンが同時にガッチャン!と押されてカセットの録音が始まる。最初はあれ?コンピューターってそんなこともできるんだ!Macすげー!と思った。が、しかし望んでないし何度も不意に連動して大事なテープの録音が消されたりしてちょっと困った。 うーん、、どこが連動してるのか、なんでかわからない。そこで当時私の周りにいる人の中で最も権威あるDATウォークマンを開発したというY田さんに聞いてみた。「Y田さん、シーケンサーの録音ボタンとカセットの録音ボタンは何をすると連動するんですか?連動をやめたいんですけどどうすればいいんですか?」するときっぱり「それはないからカキアゲさんの問題だよ」と。なんと、いきなり自分に問題が降りかかってきてこれには驚いた。。もしやサイキックか?遠隔操作か?と喜んでみたもののコントロールできるわけでもなく良い事は何もない。 そして、時と共に私もMacに慣れMIDIも操作できるようになってきた。録音ボタンもそうそう気合入れずにいつでも押せるようになった。 と、、気付いたらカセットデッキは連動しなくなっていたのであった。 あっさりサイキックは終わったのであった。

こうして無事Macで曲が作れるようになって五線紙から離れ、チャボからも離れ、ライブを始め、都会の垢にまみれてクラブ通いが始まったのである。当時はハウス全盛で芝浦Goldが華やいでたのである。ハウスから打ち込みをはじめたのでとにかくサンプリング命だ。ありとあらゆるサンプリングネタをせっせとフロッピーに溜め、デトロイトテクノを聞き、R&Sを買い漁り、やっぱり元祖はクラフトワークよね、とヨーロッパに行くようになるのであったぞ、と。
(初のライブちらしがでてきた! まだ毛がある・・)

(なんと豪華な映像メンバー!)
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