この時期梅雨になると恐怖のどん底になるのがヤスデだ。ムカデの子分みたいな小型ムカデで脚が大量にわらわら動いて結構すばやく移動している。1匹ならまあ許す。10匹でも許す。しかしウッドデッキに1000匹いや何万匹というヤスデがウヨウヨ大量に雨が降るたびに土から湧いてきて「死霊の腸か!!お前もお前も!!まだ湧いて出るか!」という状態になったらもう頭は沸騰しているので大量の殺虫剤をぶちまける日々が何年も続いた。
そして私は猫を飼うことになった。
猫の居場所はそのウッドデッキだ。殺虫剤はまけない。
なのでしょうがなしにたまたまあった木酢液をウッドデッキのヤスデが登ってくる手摺りなどに撒いてみた。
アブラムシに牛乳、ゴキブリにハッカ、とかそういう類というのはどうも信じがたくやらない主義だが猫のためしょうがない。
と、、、すると、、
どうでしょう、ヤスデがいない。
殺虫剤より効いている。
考えるに、殺虫剤は西洋医学のようなもので、対処療法だ。
出てこない限り撲滅できない。
木酢液は嫌がる匂いで寄せ付けない、のでヤツラはどこかにいるのだがこちらには来ない。 共存というやつだ。漢方薬みたいな感じだろうか。
と、、、すると、どうでしょう?
その年の庭木の勢いが全く違う。
え、、、変だなあ?とヤスデを調べてみれば
なんと、不快害虫としての解説と共に「ヤスデがずっと畑で生活できるような環境」みたいなのがある。ヤスデはミミズ同様土壌改良にとても貴重な節足動物様だったのだ。
そして、蜂。
新緑の季節になると大量に飛散してくる蜂がいた。アシナガバチのたぐいだ。
怖いのでこちらも殺虫剤で対処していたが、これも猫の領地なので放置するしかなかった。
ヤスデのことがあったので調べてみた。
蜂はどうやら庭木についてしまったアブラムシを食べてくれているようだ。
アブラムシは甘くて美味しいらしい。
ならば、蜂に食べてもらえればアブラムシはいなくなりそして蜂もいなくなるのか、、と。 見事にいなくなった。
こうやって次の年からはものすごい勢いで庭木が育ち、ウチはどんどんジャングル化が進み
猫は百獣の王のように君臨するのであった。
すべては猫の健康のためにやったことが自然の摂理にかなっていたのだ。 そういえば最高級の米はアイガモ農法だ。 いや、普通に考えれば大切なこどもたちのためにやるべきことはこういうことなのではないか?と。(子供が小さいとき子供のためには考えられなかったのに猫のためには万全を尽くした自分だが、となると、愛する人のために地球を守りましょうではなく、「愛する地域猫たちのために地球を守りましょう」という運動ならばきっとうまくいくのであろう)
なにか、最近の世界的な殺菌に対する異常な白熱。完全なる除菌生活。
何か後でとんでもなく大量のなにかにヤラれる気がする。
とはいっても今は除菌はやめられない。
ヤスデを大量に殺してしまったあの日を反省しつつたまに出てくるヤスデに怯えつつ木酢液をまく梅雨だぞ、と。
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